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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻5号

2015年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015

5.皮膚科医のための臨床トピックス

セルライト

著者: 尾見徳弥1 沼野香世子1

所属機関: 1クイーンズスクエアメディカルセンター皮膚科

ページ範囲:P.148 - P.150

文献概要

summary
セルライトは肥満とは異なり,主に女性皮膚の体表に現れる皮膚の凸凹の変化で,臨床的な形状では‘orange peel appearance’として知られている.臨床像や病態生理的観点からも,セルライトと肥満は異なっている.疫学的には女性や白色人種に多く,また過度の炭水化物摂取制限なども要因として挙げられている.ホルモンのアンバランス,加齢変化,アルコールの過度の摂取なども関連すると考えられている.セルライトの病態生理学的な形成に関しては,末梢の循環不全,代謝不全に伴って脂肪組織内に線維化が生じ,線維化により脂肪組織の代謝不全が亢進して脂肪組織が変性をきたすとともに周囲組織も線維化した状態と考えられ,脂肪細胞や血管内皮細胞でアポトーシス所見もみられる.セルライトの治療においても,単純なマッサージや近赤外線レーザーの照射などでは大きな効果はみられず,radio frequencyやmicrowaveの波長など深部への影響が必要とされる.

参考文献

1) Scherwaitz C, Braun-Falco O:J Dermatol Surg Oncol 4:230, 1978
2) de la Casa Almeida M, et al:J Eur Acad Dermatol Venereol 27:273, 2013
3) Piérard GE, et al:Am J Dermatopathol 22:34, 2000
4) Omi T, et al:Laser Therapy 22:131, 2013
5) Gold MH:J Dtsch Dermatol Ges 10:553, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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