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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻5号

2015年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2015 Clinical Dermatology 2015

5.皮膚科医のための臨床トピックス

帯状疱疹の疫学—小豆島スタディ

著者: 浅田秀夫1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科

ページ範囲:P.161 - P.163

文献概要

summary
水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus:VZV)は初感染で水痘を引き起こした後,神経節に潜伏感染するが,加齢などに伴い再活性化して帯状疱疹を発症する.帯状疱疹の発症抑制には,VZV特異的細胞性免疫が重要であろうと考えられてきたが,免疫がどの程度低下すると帯状疱疹を発症するのか? 液性免疫も予防に関わっているのか? などについてはよくわかっていなかった.近年,小豆島で50歳以上の住民を対象に帯状疱疹と免疫との関係を明らかにするための大規模疫学研究を行った.その結果,細胞性免疫の指標であるVZV特異的皮内反応が,帯状疱疹発症,重症化,帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN)のリスクと逆相関すること,一方,VZV特異的抗体価と帯状疱疹発症,重症度,PHNとの間には相関が認められないことが明らかになった.

参考文献

1) Oxman MN, et al:N Engl J Med 352:2271, 2005
2) Takahashi M, et al:Vaccine 21:3845, 2003
3) Takao Y, et al:J Epidemiol 22:167, 2012
4) Tang H, et al:J Clin Virol 55:46, 2012
5) Okuno Y, et al:Epidemiol Infect 141:706, 2013
6) Asada H, et al:J Dermatol Sci 69:243, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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