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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻6号

2015年05月発行

文献概要

今月の症例

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法およびフェブキソスタット内服中に薬剤性過敏症症候群を発症した1例

著者: 喜多川千恵1 中島喜美子1 佐野栄紀1

所属機関: 1高知大学医学部皮膚科学講座

ページ範囲:P.364 - P.368

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要約 64歳,男性.C型慢性肝炎に対し,テラプレビルを含む3剤併用療法およびフェブキソスタット内服を開始したところ,2か月半後に体幹,四肢に浸潤性紅斑,口腔粘膜疹,発熱,肝腎機能障害が出現した.頸部リンパ節腫脹を伴い,経過中にヒトヘルペスウイルス-6の再活性化を認めたため,薬剤性過敏症症候群と診断した.プレドニゾロン60mg/日内服で治療し,二峰目の症状発症に一致して出現した両肺の結節影には大量ガンマグロブリン療法が奏効した.パッチテストの結果,テラプレビルではなくフェブキソスタットのみが陽性であった.テラプレビルは皮膚障害を高率に認め,重症薬疹の原因としても報告されている薬剤であるが,皮疹出現時に原因薬剤だと安易に判断することは非常に危険であり,それ以外の薬剤が原因になっている可能性も十分考えておく必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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