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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻6号

2015年05月発行

文献概要

症例報告

Birt-Hogg-Dubé症候群の1例

著者: 浅見友梨1 清水真1 磯野公美1 唐沢卓生1 長瀬佳代1 嘉陽織江1 大野稔之1 水野秀紀2 森谷鈴子3 泉美貴4 古屋充子5

所属機関: 1国立病院機構名古屋医療センター皮膚科 2国立病院機構名古屋医療センター泌尿器科 3国立病院機構名古屋医療センター病理診断科 4東京医科大学医学教育学講座 5横浜市立大学医学研究科分子病理学講座

ページ範囲:P.393 - P.396

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要約 67歳,男性.繰り返す自然気胸と比較的稀とされる嫌色素性腎細胞癌があり,Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群が疑われ,当科を紹介された.頸部にacrochordon,背部に2mm大の常色丘疹の散発を認め,皮膚生検病理組織像はfibrous papule of the noseに一致するものであり,毛囊と間葉系組織の増殖という点でBHD症候群による皮膚症状であると考えた.遺伝子解析にてFLCN遺伝子に変異を認めBHD症候群と診断した.自験例のように比較的稀な組織型の腎細胞癌をみた場合にはBHD症候群を鑑別に挙げるべきである.また気胸は比較的早期に認められ,生命予後にかかわる腎腫瘍の早期発見のためにも,反復性/家族性気胸の患者の皮膚症状に留意し,BHD症候群を鑑別に挙げるべきである.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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