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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻6号

2015年05月発行

文献概要

症例報告

有茎性,広基性,半球状を呈した単発型表在性脂肪腫性母斑の3例

著者: 萩原ゆかり1 新山史朗1 鈴木琢1 福田英嗣1 加藤景一1 横内幸2 向井秀樹1 松岡芳隆3

所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科 2東邦大学医療センター大橋病院病理部 3松原皮フ科医院

ページ範囲:P.397 - P.401

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要約 症例1:28歳,男性,左大腿部に55×35×35mm大,茎部25mm径,淡紅色で分葉状,弾性軟の有茎性結節を認めた.症例2:63歳,男性,右鼠径部に60×35×37mm大,常色と淡紅色が混在する表面平滑,弾性軟の広基性結節を認めた.症例3:50歳,女性,右前腕に10×8mm大,黄色で半球状,弾性軟の結節を認めた.病理組織学所見は3例とも,真皮浅層以下に脂肪組織が増殖し,特に真皮浅層の血管周囲にその増殖像がみられた.脂肪組織間に膠原線維の増生があり,膠原線維の変性,膨化も認めた.単発型表在性脂肪腫性母斑と診断した.表在性脂肪腫性母斑の臨床像は多発型と単発型に区別され,単発型は局面型,ドーム状,半球状,広基性,有茎性などに大別できる.症例2の経過,および自験例3症例から,単発型表在性脂肪腫性母斑は経時的に半球状から広基性,有茎性に移行し,最終型は有茎性になる可能性が考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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