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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻6号

2015年05月発行

文献概要

症例報告

腹部に生じた微小囊胞性付属器癌の1例

著者: 荒木勇太1 川口雅一1 矢口順子1 門馬文子1 伊藤義彦2 山川光徳3 鈴木民夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学講座 2明石医院 3山形大学医学部病理診断学講座

ページ範囲:P.407 - P.410

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要約 33歳,男性.初診の約2年前から下腹部に小指頭大の紅色腫瘤が生じ近医を受診した.生検を施行したところ,真皮全層にかけて,管腔構造を伴った島状,索状の腫瘍胞巣が多数増殖しており,微小囊胞性付属器癌(microcystic adnexal carcinoma:MAC)と診断した.腫瘍より1.5cm離して筋膜上で腫瘍を切除し術後8か月経過したが,局所再発や転移は認めていない.MACは中高年の顔面に好発する皮膚付属器悪性腫瘍であり,自験例のように腹部に発生する例は稀である.過去には限局性強皮症から発生した腹部のMACが報告されているが,前駆症状のない腹部の皮膚より生じた報告例は自験例が初めてとみられる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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