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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻7号

2015年06月発行

文献概要

症例報告

インドネシア(バリ島)から帰国後チクングニア熱を発症した1例

著者: 岩渕千雅子1 宇山美樹1 根岸亜津佐1 川村雄大2 石河晃3 高崎智彦4

所属機関: 1日産厚生会玉川病院皮膚科 2日産厚生会玉川病院外科 3東邦大学医療センター大森病院皮膚科学 4国立感染症研究所ウイルス第一部

ページ範囲:P.454 - P.458

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要約 50歳,男性.2014年3月に9日間滞在したバリ島から帰国後,2日目に発熱,腰背部痛,膝関節痛が,5日目に手背に紅斑が出現し,足背,手背の発赤,腫脹を伴い急速に全身に拡大した.バリ島の知人がデング熱を発症していたためデング熱を疑われ入院した.血清中のデングウイルス遺伝子検査および抗体価はともに陰性だったが,チクングニアウイルス遺伝子検査およびIgM抗体が陽性で,チクングニア熱と確定診断した.発症8日目で解熱し,皮疹は3日間でほぼ消退した.皮膚病理組織像では血管周囲性のリンパ球浸潤と表皮基底層の液状変性を認めた.近年.チクングニア熱は再興感染症として世界的な流行の拡大が危惧されている.本邦では輸入症例の報告のみではあるが.ウイルスを媒介するヒトスジシマカは日本にも生息しており,国内での流行の可能性がある.熱帯,亜熱帯地域からの帰国者において,チクングニア熱を鑑別し,迅速に診断することが重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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