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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻7号

2015年06月発行

症例報告

ロドデノール含有化粧品による脱色素斑の1例

著者: 田中諒1 齋藤京1

所属機関: 1さいたま市立病院皮膚科

ページ範囲:P.485 - P.489

文献概要

要約 45歳,女性.ロドデノール含有化粧品を使用開始し,数か月後から使用部位に脱色素斑を生じた.その後も脱色素斑は拡大,融合傾向を示したため使用開始23か月後に当院を受診した.初診時,両側頰部,前額部,頸部に紅潮と掻痒感を伴う鶏卵大までの不完全脱色素斑が不整に融合していた.同日より化粧品使用を中止しステロイド軟膏を外用したところ,2週間で紅潮や掻痒感は消失した.その後,治療は行わず経過観察とし,脱色素斑は初診3か月後には不明瞭化し,初診1年後の時点でほぼ消退した.ロドデノールはメラニン産生抑制効果を有する有効成分として2008年に認可されたが,不整な脱色素斑の原因として問題となった.現時点ではロドデノールによる脱色素斑の成因の詳細は不明だが,自験例の経過や調査結果報告書からは使用中止で皮疹の改善が期待できると考えた.

参考文献

1) 中込秀樹.第3者調査結果報告書:2013.9.9 http://www.kanebo-cosmetics.jp/information/pdf/20130911/investigation-report.pdf
2) Ando H, et al:Int J Mol Sci 11:2566, 2010
3) 梅田麻衣,他:日薬会年要 131:199, 2011
4) Fukuda Y, et al:J Occup Health 40:118, 1998
5) 特別委員会内二次調査協力施設.特別委員会内施設での二次調査結果:2014.4.7 http://www.dermatol.or.jp/upfile/1387188529_4.pdf
6) 塩見真理子,他.姫路赤十字病誌 37:5, 2013
7) 錦織千佳子,他.日皮会誌 124:285, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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