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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻7号

2015年06月発行

文献概要

症例報告

多中心性細網組織球症の1例

著者: 壷井聡史1 小林紘子1 森本謙一1 米原修治2 壷井ひとみ3

所属機関: 1JA尾道総合病院皮膚科 2JA尾道総合病院検査部 3ひとみスキンクリニック

ページ範囲:P.509 - P.514

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要約 69歳,男性.初診の数年前より四肢に関節痛があり,整形外科で加療されていた.初診の半年前より体幹,四肢に自覚症状のない中心臍窩を伴う紅色丘疹が生じ,近医皮膚科にてステロイド外用や光線治療などさまざまな治療を受けたが改善しないため,当科を紹介され受診した.皮膚生検にて,真皮内に多数の組織球からなる肉芽腫を認めた.関節痛と病理組織検査結果から多中心性細網組織球症と診断した.ステロイド,メトトレキサート内服により皮疹,関節痛ともに著明に改善した.自験例のように通常皮膚色から茶褐色の硬い丘疹を散在性に認める場合は関節所見などの問診や生検を行い多中心性細網組織球症を疑って診断を進める必要があると考える.

参考文献

1) 鈴木啓之(編):皮膚科診療カラーアトラス大系7,講談社,p56, 2011
2) 米原修治:病理と臨床 20:88, 2002
3) 大宮若菜,他:臨皮 67:233, 2013
4) 菊池里奈子,他:臨皮 63:425, 2009
5) 福井眺万,他:臨皮 66:695, 2012
6) Liang GC, Granston AS:Arthritis Rheum 39:171, 1996
7) Takamura A, et al:Mod Rheumatol 23:297, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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