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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻8号

2015年07月発行

文献概要

症例報告

Coccygeal pad(仙骨部の胼胝様皮疹)の1例

著者: 藤原明子1 村野啓明1 宮下教子2

所属機関: 1草加市立病院皮膚科 2東京医科歯科大学形成外科

ページ範囲:P.569 - P.573

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要約 14歳,男児.出生時の臀部は正常であったが,3歳頃より尾骨部に常色の隆起が出現した.疼痛や拡大傾向はなかったため放置していたが,12歳頃から急に増大し,自転車に跨ることが困難となり,整容的にも目立つようになったため当院を受診した.初診時,仙骨部下端〜尾骨部に8×3cm,淡紅色で弾性硬のドーム状に隆起した可動性不良の結節を認めた.MRIで尾骨の前方屈曲変形があったが,脊髄との連続病変や腫瘍性病変はなく,結節部はT2強調画像で境界不明瞭な低信号領域であり線維性病変を疑った.全身麻酔下に結節を仙骨直上で単純切除した.病理組織では角質増殖と軽度の表皮肥厚,真皮膠原線維の著明な増生と島嶼状の脂肪組織の混在を認めcoccygeal padと診断した.切除術施行後,半年経過したが再発はない.Coccygeal padは正式な名称が確立しておらず,人尾と酷似するため誤診される症例もあると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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