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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻8号

2015年07月発行

文献概要

症例報告

尿道,腟への浸潤を認めた外陰悪性黒色腫の1例

著者: 大西正純1 前田文彦1 高橋和宏1 赤坂俊英1 竹内聡2 小原航3

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学講座 2岩手医科大学産婦人科学講座 3岩手医科大学泌尿器科学講座

ページ範囲:P.574 - P.578

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要約 63歳,女性.2013年1月より性器出血を自覚し,近医を受診し,外尿道口の紅色腫瘤と腟,小陰唇の黒色斑を指摘された.組織診で悪性黒色腫と診断され,腫瘍は尿道へ浸潤していた.粘膜側,皮膚側とも黒色斑より2cm離し腫瘍を摘出,膀胱瘻を造設し,両側浅鼠径リンパ節郭清を行った.pT4bN2bM0 stage Ⅲcと診断,DAC-Feron療法を行ったが術後4か月後に骨盤内リンパ節,仙腸骨関節転移,腟壁再発が出現した.腟腫瘍から多量の出血を認め,動脈塞栓術を2回施行した.骨盤リンパ節が巨大な腫瘤を形成,子宮穿孔からの腹膜炎で術後6か月に死亡した.当科では現在までに自験例を含め4例の女性外陰悪性黒色腫を経験しているが,4例中3例でtumor thicknessが3mmを超え,2例に初診時,1例で腫瘍全摘出術後に鼠径リンパ節転移を認めた.女性外陰悪性黒色腫は進行した状態で発見されることが多く,予後不良であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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