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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻9号

2015年08月発行

文献概要

症例報告

アロプリノールによる中毒性表皮壊死症の1例

著者: 大竹ひかり1 藤田真文1 遠藤雄一郎1 藤澤章弘1 谷岡未樹1 大日輝記1 椛島健治1 宮地良樹1 石川牧子2

所属機関: 1京都大学医学部大学院医学研究科皮膚科 2京都桂病院皮膚科

ページ範囲:P.633 - P.637

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要約 65歳,女性.高尿酸血症に対して3か月前からアロプリノール(ザイロリック®)内服中.2014年1月初めより大腿部の紅斑,口内炎,微熱が出現した.3日後,下腿紫斑,発熱,腎機能低下が出現し,15日後,38℃発熱と全身性水疱が出現して当科へ転院した.体表面積70%以上に表皮剝離があり中毒性表皮壊死症と診断した.ステロイドパルス療法,血漿交換療法,大量免疫グロブリン静注療法で救命しえた.経過中,HHV-6の再活性化を伴った.薬剤添加リンパ球刺激試験では,アロプリノールの代謝産物であるオキシプリノールが陽性であった.オキシプリノールは半減期が長く,特に自験例のように腎障害がある場合は長時間体内に存在し,副作用を起こしやすい.また,自験例はアロプリノールによる重症薬疹と関連性のあるHLA-B5801が陽性であり重症薬疹を起こしやすい背景があったと考えられた.

参考文献

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3) 飯島正文:皮膚臨床 38:887, 1996
4) Peppercorn AF, et al:J Burn Care Res 31:365, 2010
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6) 岸田昌之,他:皮膚臨床 47:19, 2005
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9) Hung SI, et al:Proc Natl Acad Sci USA 102:4134, 2005
10) Dainichi T, et al:Dermatology 215:86, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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