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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻9号

2015年08月発行

文献概要

症例報告

潰瘍型皮膚サルコイドと筋サルコイドを伴い血管炎が疑われたサルコイドーシスの1例

著者: 西島千博1 稲沖真1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構金沢医療センター皮膚科

ページ範囲:P.666 - P.670

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要約 63歳,女性.10年前から,両側下垂足が生じ,徐々に増悪した.6年前からは,両側下肢の鈍痛や筋力低下が出現し,徐々に進行した.下垂足・下腿の鈍痛・筋力低下に対して,神経内科でCharcot-Marie-Tooth病として内服治療を受けたが改善しなかった.下肢に皮膚潰瘍を形成したため,当科を紹介され受診した.潰瘍部および筋の生検病理組織像でサルコイドーシスと判明した.下垂足・下腿の鈍痛・筋力低下も筋サルコイドーシスの症状である可能性が考えられた.ステロイド全身投与を行い,潰瘍は治癒し,疼痛も改善した.種々の症状は血管炎に起因している可能性が考えられた.下腿などの潰瘍の診断治療にあたっては,サルコイドーシスも念頭に置くことが必要であると考えた.

参考文献

1) 岡本裕行:最新皮膚科学体系,9巻,中山書店,p258, 2003
2) Albertini JG, et al:Arch Dermatol 133:215, 1997
3) 白井礼子,他:西日皮膚 75:499, 2013
4) 村瀬由美,他:皮膚臨床 49:1385, 2007
5) 陳 科榮:最新医学 68:246, 2013

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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