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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻9号

2015年08月発行

文献概要

症例報告

Papillary tubular adenomaの2例

著者: 白井暁子1 関口暁子1 伊東慶悟1 石地尚興1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.671 - P.676

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要約 症例1:81歳,男性.左足背の4mm大の淡紅色丘疹.症例2:76歳,男性.右腋窩の8mm大の紅色結節.いずれも皮膚線維腫,軟性線維腫を疑い切除した.病理組織所見にて,真皮内に内腔側の腺上皮と基底膜側の筋上皮細胞との二相性が保たれた腺管の増殖を認め,内腔に乳頭状の増殖があることからpapillary tubular adenoma(PTA)と診断した.PTAはtubular apocrine adenoma(TAA)とpapillary eccrine adenomaを包括する疾患名として提唱されたため,両者を鑑別するにあたって,病理組織学的に特徴や免疫組織化学的所見に関し考察したところ,表皮との連続性や断頭分泌などアポクリン腺由来を示唆する特徴がTAAにはあり,GSDFP-15染色で断頭分泌像を呈するTAAのみが陽性となった.

参考文献

1) Ackerman AB, et al:Fibroepithelial trichoblastic carcinoma:Neoplasms with follicular deifferentiation, Ardor Scribendi Publishers, New York, p898, 2001
2) Rulon DB & Helwig EB:Arch Dermatol 113:596, 1977
3) Abenoza P & Ackerman AB:Neoplasms with Eccrine Differentiation, 1st ed, Lea & Febiger, Philadelphia, PA, p353, 1990
4) 菅原祐樹,他:臨皮 59:789, 2005
5) 安齋真一:日皮会誌 100:121, 1990
6) 安齋真一:日皮会誌 100:133, 1990
7) Sato K, et al:Am J Physiol 252:R166, 1987
8) Sato K & Sato F:Am J Physiol 252:R181, 1987

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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