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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻9号

2015年08月発行

文献概要

症例報告

経皮経管胆囊ドレナージ刺入部に生じた胆管癌皮膚転移の1例

著者: 井上剛1 櫻井英一1 高橋和宏1 赤坂俊英1 柴田將2

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2岩手医科大学消化器内科教室

ページ範囲:P.684 - P.688

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要約 72歳,男性.2011年6月下旬頃より発熱,腹部不快感,尿濃染が出現した.当院消化器内科で中部胆管癌(StageⅣa)による閉塞性黄疸と診断された.内視鏡的逆行性胆管膵管造影にて精査後,胆管ステント留置されたが,その後,胆管・胆囊炎を併発し,内視鏡的経鼻胆道ドレナージや経皮経管胆囊ドレナージ(percutaneous transhepatic gallbladder drainage:PTGBD)で減黄処置を複数回,6か月以上にわたって施行された.ドレナージチューブ抜去後,創部が閉鎖せず同部に掻痒感および疼痛を伴う皮疹が残存したために当科を紹介,受診した.病理組織像では腺腔形成を呈する異型細胞の増殖がみられ,胆管癌の皮膚転移と診断した.PTGBDをはじめとする胆道ドレナージを悪性腫瘍に施行した際には,医原性の悪性腫瘍皮膚転移の可能性を念頭に置く必要があると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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