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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科69巻9号

2015年08月発行

症例報告

白血球除去療法が著効した壊疽性膿皮症の2例

著者: 伊藤彩1 池澤優子1 岡村友紀1 松浦みどり1 大澤研子1 吉田衝未2 志村岳2 栗山仁3 掛水夏恵4

所属機関: 1茅ヶ崎市立病院皮膚科 2茅ヶ崎市立病院腎臓内科 3茅ヶ崎市立病院消化器内科 4なつ皮ふ科

ページ範囲:P.694 - P.699

文献概要

要約 白血球除去療法(leukocytapheresis:LCAP)は,患者の血液から,炎症に起因する活性化した白血球を除去する治療法である.現在,潰瘍性大腸炎と関節リウマチにのみ保険が適応されている.われわれは上記,それぞれの疾患に合併した,壊疽性膿皮症(pyoderma gangrenosum:PG)の2例を経験した.ステロイド全身投与にLCAPを併用することで,原疾患だけでなくPGにも効果を認め,ステロイドの早期減量が可能となった.今回の2例の経験から,同療法はPGの,急性期の炎症抑制だけでなく,PGにより形成された潰瘍の上皮化促進に対しても効果の高いことが推察された.LCAPはステロイド抵抗性のPGに有用な治療法であり,積極的に行う価値があると考える.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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