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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻1号

2016年01月発行

文献概要

症例報告

ゾビラックス®とビタメジン®が内服テスト陽性を示した帯状疱疹罹患時に生じた多剤薬疹の1例

著者: 西岡美南1 足立厚子1 小猿恒志1 一角直行1 佐々木祥人1 松浦正人2

所属機関: 1兵庫県立加古川医療センター皮膚科 2松浦皮フ科クリニック

ページ範囲:P.21 - P.26

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要約 23歳,男性.軀幹に帯状疱疹が出現し,近医でアシクロビル(ソビラックス®),ビタミンB1,B6,B12誘導体の複合剤(ビタメジン®)などにて内服加療開始7日目に四肢,体幹に紅斑が出現した.いったん軽快するも発疹が再燃したため当科を受診した.皮疹軽快後にすべての薬剤のパッチテスト,内服テストを行った.パッチテストはすべて陰性で,ゾビラックス®,ビタメジン®の内服テストが各々陽性で2剤による播種状紅斑丘疹型薬疹と診断した.この多剤薬疹の発症機序として,先行する帯状疱疹が多剤薬疹を引き起こした可能性を考えた.帯状疱疹罹患時に全身の紅斑を認めた場合,ウイルスそのものによる中毒疹の可能性もあるが,自験例のように薬剤,しかも2剤が原因となることもあり,詳細な検索が必要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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