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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻1号

2016年01月発行

文献概要

症例報告

大型の腫瘤を形成したsolid-cystic hidradenomaの1例

著者: 浅尾香恵1 赤松洋子1 瀬戸口美保子2 河崎玲子3

所属機関: 1独立行政法人地域医療機能推進機構下関医療センター皮膚科 2独立行政法人地域医療機能推進機構下関医療センター病理診断科 3河崎医院

ページ範囲:P.37 - P.42

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要約 64歳,男性.初診の2〜3年前に左耳後部の自覚症状のない腫瘤に気付き,徐々に増大してきた.初診時45×30mmの半球状に隆起した弾性硬の腫瘤で一部は暗紫色を呈していた.MRI検査で皮下に囊腫様構造を認め,囊腫壁の一部が不規則に肥厚していた.病理組織学的検査では大型の囊腫様構造と囊腫壁の一部に充実部分があり,充実部分はporoid cellとcuticular cellで構成され,多数の管腔構造を形成し一部で断頭分泌像がみられた.アポクリン分化を伴うsolid-cystic hidradenomaと診断した.過去の報告例と比べて大型でMRI検査を施行したが画像検査から診断することは困難であった.しかしMRI検査は腫瘍の特徴的な構造を把握することができ,術前の形態評価には有用であった.

参考文献

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9) 大野真梨恵,他:皮膚病診療 34:977, 2012

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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