文献詳細
文献概要
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文献紹介 Annexin A1とFPR1の相互作用が重度の薬疹におけるケラチノサイトの細胞死に寄与している
著者: 江原佳恵1
所属機関: 1慶應義塾大学
ページ範囲:P.55 - P.55
文献購入ページに移動 細胞死の機序としてはapotosisとnecrosisが知られているが,近年,新たな概念として,形態学的にはnecrosisを示すが制御されたシグナル回路によって生じる細胞死であるnecroptosisが注目されるようになった.本論文はStevens-Johnson症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS)/中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)のケラチノサイトにみられる細胞死にnecroptosisが関与していると考え,その機序を明らかにし,SJS/TENにおけるケラチノサイトの細胞死のメディエーターを探求しようとしている.方法としてはSJS/TENに罹患し,治癒した患者から末梢血単核球細胞を分離して原因薬剤を投与し,反応後のsupernatantを用いてさまざまな実験を組んでいる.その中でもキーとなる実験はSJS/TENのsupernatant中に含まれる蛋白質をマススペクトメーターで解析したものである.その実験ではannexin A1という蛋白質がsupernatant中に大量に発現していることが示され,さらにannexin A1を中和させるとSJS/TENにおけるケラチノサイトの細胞死が抑制されることがわかった.また,annexin A1のミメチックペプチドであるAc2-26を投与するとSJS/TENにおけるケラチノサイトの細胞死が誘導された.このことからsupernatant中のannexin A1がSJS/TENのケラチノサイトの細胞死誘導に重要であることが示唆された.
また,annexin A1はFPR1と結合することで活性化することが知られている.本論文では,supernatantに曝露したケラチノサイトには大量のFPR1が発現しており,またSJS/TENの病変部にはFPR1とannexin A1が有意に発現していることが示されている.この結果からnecroptosisが生じる回路にannexin A1とFPR1が存在することが示唆された.
また,annexin A1はFPR1と結合することで活性化することが知られている.本論文では,supernatantに曝露したケラチノサイトには大量のFPR1が発現しており,またSJS/TENの病変部にはFPR1とannexin A1が有意に発現していることが示されている.この結果からnecroptosisが生じる回路にannexin A1とFPR1が存在することが示唆された.
参考文献
Saito N, et al:An annexin A1-FPR1 interaction contributes to necroptosis of keratinocytes in severe cutaneous adverse drug reactions. Sci Transl Med 6:245ra95, 2014
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