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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻1号

2016年01月発行

症例報告

肛門周囲にPaget現象を呈し直腸癌が見つかった1例

著者: 明石顕1 植木理恵1 扇谷咲子1 平井周2

所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター皮膚科 2順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター病理診断科

ページ範囲:P.73 - P.76

文献概要

要約 87歳,女性.1か月前から肛門周囲に疼痛症状あり,アズレン軟膏外用するが改善しないため当科を受診した.初診時肛門周囲〜臀部に紅斑,びらんが存在.ステロイド剤外用で改善せず,病理組織で表皮内にPaget細胞を認めた.肛門内浸潤があり,下部内視鏡検査で直腸癌と診断された.皮疹の免疫染色はCK20(+),GCDFP-15(−)で,直腸癌からのPaget現象と診断した.Paget現象の本邦報告例は自験例を含め57例あり,早期発見により予後良好な経過となる例も少なくない.肛門周囲病変に対しては早期の病理診断,悪性腫瘍の検索が必要であると考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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