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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻10号

2016年09月発行

症例報告

日光蕁麻疹と温熱蕁麻疹を合併した1例

著者: 宮澤英彦1 嶋津苗胤1 松本賢太郎1

所属機関: 1静岡済生会総合病院皮膚科

ページ範囲:P.747 - P.750

文献概要

要約 18歳,女性.15歳より日光曝露時と入浴時に膨疹が出現するようになった.光線照射試験にてUVAを作用波長とする日光蕁麻疹と診断した.さらに温熱刺激試験でも膨疹が誘発されたため温熱蕁麻疹の合併が確認された.日光蕁麻疹に関しては,ロラタジン内服とサンスクリーン外用を指導した.また入浴などの温熱刺激に関しては,15分以内のぬるめの温度のシャワー浴のみとすることで対応した.その結果,日常生活や比較的長時間の屋外での活動に関して,日光曝露や温熱刺激からの症状の誘発は抑制できた.物理性蕁麻疹は定まった治療法がなく症状のコントロールに難渋することもあるが,薬物治療だけでなく生活習慣における工夫もQOLを上昇させるためには重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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