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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻10号

2016年09月発行

文献概要

症例報告

抗結核薬で発症したと考えられ多剤感作した薬剤性過敏症症候群の1例

著者: 熊谷綾子1 遠藤元宏1 秋山也寸史2 山下利春3

所属機関: 1独立行政法人地域医療推進機構北海道病院皮膚科 2独立行政法人地域医療推進機構北海道病院呼吸器科 3札幌医科大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.756 - P.760

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要約 36歳,女性.肺結核で抗結核薬治療開始するも治療開始10週後に発熱と肝機能異常,全身のびまん性紅斑,白血球増多,頸部リンパ節腫脹が出現し,その後のHHV-6再活性化より薬剤性過敏症症候群(drug-induced hypersensitivity syndrome:DIHS)と診断した.ステロイド全身投与したが,新たな抗結核薬治療の複数の薬剤投与により,肝機能障害,発熱,皮疹の再燃を繰り返した.薬剤リンパ球刺激試験にも陽性を示し,結核治療にも難渋した.結核のように薬剤投与の長期継続が必要な疾患の場合,多剤感作による薬剤過敏のためにDIHSと原疾患の治療が難航することが予想され,治療の工夫が今後の課題である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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