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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻10号

2016年09月発行

文献概要

症例報告

LL型Hansen病の2例

著者: 谷口真也12 山本敬三2 新谷洋一1 石井則久3 森田明理1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科 2名古屋第二赤十字病院皮膚科 3国立感染症研究所ハンセン病研究センター

ページ範囲:P.801 - P.806

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要約 症例1:24歳,フィリピン人男性.3年前から左上肢の知覚異常を自覚していた.1年前から顔に小結節が多発してきたため受診した.左上腕尺骨神経が肥厚していた.症例2:46歳,ブラジル人男性.32歳時,Hansen病と診断され,治療開始されたが3か月で自己中断した.42歳時,腎疾患のため姉より腎移植され,免疫抑制薬を内服中であった.初診2か月前から全身に小丘疹が多発してきたため受診した.いずれの症例も皮膚スメア検査,病理組織像よりWHO分類の多菌型,Ridley-Jopling分類のLL型(らい腫型,lepromatous type)Hansen病と診断し,WHO/MDT(multi-drug therapy)/MB(multibacillary)治療を開始した.LL型Hansen病は菌の消失が遅く長い治療期間が必要であるが,症例2では腎移植のため,免疫抑制薬内服中であり,より長い期間の治療が必要であると考えられた.

参考文献

1) 和泉眞臧:最新皮膚科学体系,第14巻,細菌・真菌性疾患,中山書店,p153, 2003
2) 石井則久,他:ハンセン病診断・治療指針(厚生省監修),藤楓協会,1997
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5) Ardalan M, et al:Exp Clin Transplant 9:203, 2011
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7) Guditi S, et al:Transpl Infect Dis 11:557, 2009
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9) Shih HC, et al:J Dermatol 32:661, 2005
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11) 寺井典子,他:臨皮 54:743, 2000
12) 細川 篤,他:沖縄医会誌 42:75, 2004
13) 後藤正道,他:日ハンセン病会誌 75:191, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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