icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻11号

2016年10月発行

文献概要

症例報告

掌蹠膿疱症との鑑別を要した好酸球性膿疱性毛包炎の1例

著者: 佐々木優1 吉田哲也1 川北梨乃1 齊藤優子1 大井裕美子1 白石淳一2 佐藤友隆3 福田知雄1

所属機関: 1国立病院機構東京医療センター皮膚科 2国立病院機構東京医療センター臨床検査科 3北里大学北里研究所病院皮膚科

ページ範囲:P.843 - P.847

文献購入ページに移動
要約 27歳,女性.初診1年前より足底,3か月前より顔面と手掌の皮疹が出現し近医を受診した.掌蹠膿疱症が疑われ,ジフルプレドナートとマキサカルシトールの外用を開始されたが掌蹠の皮疹は難治であった.顔面の皮疹も塩酸ミノサイクリンやベタメタゾン・d-クロルフェニラミンマレイン酸塩配合剤の内服,クロベタゾン酪酸エステル外用で加療したが軽快せず,拡大傾向を示した.当科初診時,顔面に毛孔一致性丘疹と小膿疱の集簇する紅斑局面を認め,好酸球性膿疱性毛包炎を疑う所見であった.顔面および指背の膿疱から皮膚生検を施行し,病理組織所見から本症と診断した.外用は変更せず,インドメタシンの内服を開始したところ,顔面の瘙痒および皮疹は消失し,掌蹠の皮疹も軽快した.好酸球性膿疱性毛包炎の掌蹠の皮疹は,掌蹠膿疱症との鑑別が難しい.今回われわれは,自験例および過去の報告例をもとに両者の鑑別点を検討した.

参考文献

1) Ofuji S, et al:Acta Derm Venereol 50:195, 1970
2) 相馬孝光,他:臨皮 64:468, 2010
3) 原  大,他:皮膚臨床 44:59, 2002
4) Kubota K, et al:BMJ Open 5:e006450, 2015
5) 猿田隆夫,中溝慶生:皮膚臨床 21:689, 1979
6) 本橋尚子,他:皮膚臨床 44:541, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?