臨床皮膚科70巻11号

2016年10月発行

症例報告

高齢者の仙骨部に生じた単発性被角血管腫に液体窒素療法が奏効した1例

著者： 竹内博美¹ 笹尾ゆき¹ 田中徹² 岩原邦夫¹

所属機関： ¹江東病院皮膚科 ²とおるクリニック

ページ範囲：P.861 - P.865

要約　84歳，男性．数年前より仙骨部に疣状の腫瘤があり，他院で治療していたが軽快傾向なく当院を紹介受診した．仙骨部に約5cmの黒褐色，一部紅色で表面が疣状の腫瘤がみられた．ダーモスコピー所見で血管性病変を疑い，皮膚生検では，被角血管腫の病理組織像であった．治療は外科的切除も検討したが，高齢であり，腫瘤が大きいため切除するには侵襲性が少なからずあると考えられた．そこで液体窒素療法を施行したところ，奏効した．治療後約2年経過するが再発はない．仙骨部の単発性被角血管腫は切除治療を施行する報告が多い．しかし，他の部位に生じた例に比べ高齢者に多くしかも大型である．また仙骨部のため手術が困難な場合もあり，液体窒素療法が有用な治療法であると考えた．

参考文献

1) 玉置邦彦，他(編)：最新皮膚科学体系，13巻，1版，中山書店，p144, 2002

2) 林　　忍，他：雲南病医誌 8:46, 2000

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4) 宇宿一成，橋口貴樹：皮膚臨床 45:667, 2003

5) 上原啓志，野中薫雄：皮膚臨床 46:567, 2004

6) 狩野律子，他：臨皮 58:840, 2004

7) 上田厚登，他：皮膚病診療 29:309, 2007

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