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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻11号

2016年10月発行

文献概要

症例報告

高齢者に生じ神経過形成を示したcoccygeal padの1例

著者: 馬屋原孝恒1 橋爪秀夫2 橘充弘3 寺井勉4 戸倉新樹1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学講座 2市立島田市民病院皮膚科 3市立島田市民病院病理診断科 4市立島田市民病院形成外科

ページ範囲:P.871 - P.874

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要約 77歳,男性.約4年前から仙骨部の腫瘤を自覚した.初診時,左臀部に4.0×2.5cmの可動性が比較的良好な隆起性腫瘤を認めた.仙骨部MRIではT1およびT2強調画像ともに低信号であった.腰椎麻酔下にて,仙骨部腫瘤を全切除した.病理組織学的に,過角化と真皮全層にわたる膠原線維の増生とともに,神経線維束の過形成を認めた.以上から神経過形成を伴ったcoccygeal padと診断した.自験例は高齢発症であり,神経の過形成を伴ったことが特徴的であった.Coccygeal padは慢性的な刺激により形成されるが,年齢によっては神経過形成をも引き起こすことが示唆された.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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