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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻11号

2016年10月発行

文献概要

臨床統計

岐阜大学皮膚科で治療した血管肉腫15例の臨床的検討

著者: 長谷川智仁1 松山かなこ1 水野雄貴1 守屋智枝1 徳住正隆1 加藤元一1 周円1 清島真理子1

所属機関: 1岐阜大学大学院医学系研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.903 - P.907

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要約 2007〜2015年の9年間に岐阜大学皮膚科で治療した血管肉腫15例の臨床的特徴,治療法と効果,予後を検討し,1997〜2006年の10年間の集計と比較した.今回の症例の初診時年齢は63〜91歳,平均77.6歳,男性11例,女性4例.症状自覚から初診まで期間は平均4.7か月.初診時に15例全例で紫斑,14例で頭部に皮疹がみられた.46.7%で初診時に肺転移を伴った.血管肉腫の年間発症は前回0.7例に対し,今回は1.67例と増加していた.今回の集計では2016年1月の時点で生存5例,死亡10例であり,死亡9例の初診から死亡までの期間は平均17.1か月であった.これは前回の集計の11.2か月より延長していた.治療では前回より手術,recombinant IL-2投与が減少し,放射線+タキサン系抗癌剤治療,パゾパニブ投与が増加していた.これら治療法の変化により予後が改善した可能性が考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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