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文献概要
1. 啓発活動の背景としてのサンスクリーン剤の新規効能取得の失敗
現在私が理事長を務めている日本香粧品学会は,化粧品研究開発者,皮膚科医,薬学者,そして行政OBから成る学会で,化粧品の安全性と機能の向上を目指し,さらには化粧を通して国民のQOLを改善することにより社会に貢献することを目的として活動している.前理事長の原田昭太郎先生(元日本皮膚科学会理事長)の発案で2006年に「化粧品機能評価法ガイドライン」を策定し,しみ,しわ,および化粧品の安全性に関する試験法に関して,業界内での統一ルールを構築した.その際に,「SPF15,PA+のサンスクリーン剤を日常的に使用することにより,光老化を予防できる」ことを過去の文献検討から導き出し1),新たな効能として承認を受けるべく,業界団体である日本化粧品工業連合会とも連動して行政に働きかけた.通例ではそのまま承認につながる,パブリックコメントを求める段階まで行ったものの最後の最後で非承認となった.その理由に,「光老化の言葉の認知度が低く,生理的老化と誤認される」,「SPF,PAの社会の理解が十分ではない」などが挙げられた.
現在私が理事長を務めている日本香粧品学会は,化粧品研究開発者,皮膚科医,薬学者,そして行政OBから成る学会で,化粧品の安全性と機能の向上を目指し,さらには化粧を通して国民のQOLを改善することにより社会に貢献することを目的として活動している.前理事長の原田昭太郎先生(元日本皮膚科学会理事長)の発案で2006年に「化粧品機能評価法ガイドライン」を策定し,しみ,しわ,および化粧品の安全性に関する試験法に関して,業界内での統一ルールを構築した.その際に,「SPF15,PA+のサンスクリーン剤を日常的に使用することにより,光老化を予防できる」ことを過去の文献検討から導き出し1),新たな効能として承認を受けるべく,業界団体である日本化粧品工業連合会とも連動して行政に働きかけた.通例ではそのまま承認につながる,パブリックコメントを求める段階まで行ったものの最後の最後で非承認となった.その理由に,「光老化の言葉の認知度が低く,生理的老化と誤認される」,「SPF,PAの社会の理解が十分ではない」などが挙げられた.
参考文献
1) サンスクリーン機能評価専門委員会:香粧会誌 30:338, 2006
2) 川島 眞,他:臨皮 70(増刊):173, 2016
掲載誌情報