文献詳細
症例報告
文献概要
要約 42歳,女性.当科初診の3年前,眼周囲に皮疹が出現した.その後,頰部や頸部に瘙痒性皮疹が拡大.近医にて化粧品による接触皮膚炎が疑われ,ステロイド外用剤で加療されたが難治のため当科へ紹介された.初診時,顔面および頸部に紅斑を認めた.貼布試験では,ニッケル・金・フラジオマイシンに陽性で,化粧品はすべて陰性であった.再度問診で,皮疹が出現した頃から痩身効果を謳う金属ローラーを使用していたことが判明した.ニッケルの定性法であるジメチルグリオキシム検査で,ローラー部に陽性反応が得られた.これより,金属ローラーに含まれたニッケルによる接触皮膚炎と診断し,金属ローラーの使用を中止したところ皮疹は消退した.難治性皮膚炎で接触皮膚炎を疑った場合,詳細な問診と貼布試験を行い原因検索に努めることが重要である.
参考文献
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