icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻13号

2016年12月発行

文献概要

症例報告

結節性紅斑を初発症状としたCrohn病の1例

著者: 鹿児山浩1 牧野輝彦1 関友里1 竹上與志昌1 松井恒太郎1 清水忠道1

所属機関: 1富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科学

ページ範囲:P.1051 - P.1054

文献購入ページに移動
要約 19歳,女性.初診の約2か月前より膝関節痛があり,その後38℃の発熱と両下腿の有痛性の紅斑が出現したため受診した.皮膚生検にて結節性紅斑と診断された.結節性紅斑の先行から2週間で腹痛が出現し,下部消化管内視鏡を施行され,空腸,回腸に縦走潰瘍,敷石像を認め,Crohn病と診断された.メサラジン,アダリムマブ,プレドニゾロンにより腹部症状は軽快,同時に皮疹も速やかに消失した.結節性紅斑をCrohn病の初発症状とする症例も存在し,またCrohn病患者は近年増加傾向にあることから,結節性紅斑患者を診察する際にはCrohn病による可能性も念頭に置く必要があると思われる.

参考文献

1) 清水 宏:あたらしい皮膚科学,中山書店,p305, 2006
2) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学体系,4巻,中山書店,p11, 2003
3) 日比紀文,他:胃と腸 32:527, 1997
4) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学体系,18巻,中山書店,p71, 2003
5) 大島忠之,他:胃と腸 38:415, 2003
6) Farhi D, et al:Medicine(Baltimore) 87:281, 2008
7) 狩野葉子:G.I. Research 14:77, 2006
8) Kano Y, et al:Dermatology 190:59, 1995

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?