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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻13号

2016年12月発行

文献概要

症例報告

帯状疱疹罹患部位に出現したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例

著者: 荒川伸之1 渡部大輔1 遠藤幸紀1 高橋和宏1 赤坂俊英2 伊藤薫樹3 井上剛4 峯貴浩5 菅原健5

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2北上済生会病院皮膚科 3岩手医科大学血液腫瘍内科学教室 4盛岡赤十字病院皮膚科 5盛岡赤十字病院血液内科

ページ範囲:P.1061 - P.1066

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要約 89歳,男性.眉間から前額部の帯状疱疹にて抗ウイルス薬内服で加療後,同部に紅色皮疹が出現し,同薬を再び内服したが改善せず,当科を紹介受診した.病理組織では真皮から皮下脂肪織にCD10,CD20陽性の腫瘍細胞がみられた.また,血清LDHの上昇,CT,PETにて副腎・上咽頭・左耳下腺に病変を認め帯状疱疹罹患部位に出現したびまん性大細胞型B細胞リンパ腫,Ann Arbor分類Ⅳ期と診断した.エトポシド内服治療(50mg/日)を開始したが,11日後に永眠した.帯状疱疹罹患後の皮疹部に一致して二次的に皮疹が出現した際には,悪性腫瘍の出現も考慮することが重要と思われた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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