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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻13号

2016年12月発行

文献概要

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文献紹介 転移性悪性黒色腫患者末梢血中の変異抗原特異的リンパ球の同定

著者: 入來景悟1

所属機関: 1慶應義塾大学

ページ範囲:P.1083 - P.1083

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 近年,転移性悪性黒色腫において,腫瘍組織に浸潤するT細胞(tumor infiltrating lymphocyte:TIL)中に腫瘍特異的なCD8T細胞が多いことが注目され,TILを培養・増殖させた後に患者に戻すTIL療法が行われている.これまでの報告で,実際にその有用性が示されており,加えて,TILの中でもPD-1CD8T細胞に特に腫瘍特異的なものが多いことがわかっている.今回の論文の趣旨は,転移性悪性黒色腫患者において,末梢血中のPD-1CD8T細胞にも変異抗原特異的T細胞が存在することを確認し,そのT細胞から変異抗原特異的TCR導入T細胞を作製したということである.
 著者らは,まず患者の腫瘍組織から変異遺伝子を解析・同定し,この変異遺伝子をつなげたtandem minigene(TMG)を作製することで,効率的に変異抗原特異的T細胞の検索を行った.実際には,TMGもしくは個別の変異抗原遺伝子を導入した樹状細胞と共培養した際に,活性化するCD8T細胞を変異抗原特異的T細胞として同定した.結果として,4患者検体中の3検体で末梢血CD8T細胞中に変異抗原特異的T細胞が確認され,それらはPD-1細胞中のみに存在した.さらに,著者らは,同定した変異抗原特異的T細胞に最も優位に発現するTCR遺伝子を用いてTCR導入T細胞を作製し,それらが変異抗原に反応することを確認した.

参考文献

Gros A, et al:Prospective identification of neoantigen-specific lymphocytes in the peripheral blood of melanoma patients. Nat Med 22:433-438, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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