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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻2号

2016年02月発行

文献概要

症例報告

小児の手に多発した皮下型環状肉芽腫の1例

著者: 丸田康夫1 阿部俊文2 大畑千佳1 名嘉眞武国1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室 2聖マリア病院皮膚科

ページ範囲:P.123 - P.127

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要約 1歳10か月,女児.初診の2か月前に両手掌に皮下結節が出現し,徐々に増大し,多発性となり,把握時の疼痛も伴ってきたため,受診した.右手掌に2.5cm大,右拇指に2cm大,右中指に2cm大,左手掌に2cm大の弾性硬で可動性良好な皮下結節を触知した.生検皮膚病理組織像では,皮下脂肪組織内にアルシアンブルー染色陽性のムチン沈着を伴う変性物質とそれを取り囲むようにCD68染色陽性の組織球の浸潤を認め,柵状肉芽腫の像を呈していたため,両手に生じた多発性の皮下型環状肉芽腫と診断した.特に治療は行わず,経過観察のみで自然消退した.環状肉芽腫の中で皮下型は比較的稀であるが,その中でも手掌に生じる例は特に稀である.

参考文献

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13) 村澤章子,他:臨皮 54:591, 2000

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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