icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻2号

2016年02月発行

症例報告

Palisading cutaneous fibrous histiocytomaの1例

著者: 白井暁子1 伊東慶悟1 松尾光馬1 石地尚興1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.128 - P.132

文献概要

要約 42歳,男性.左手掌の8mm大の淡褐色調の皮下腫瘤を主訴に受診した.皮膚線維腫や神経鞘腫を疑い切除したところ,神経に隣接した境界不明瞭な白色の硬い腫瘤であった.病理組織像では,皮内から皮下にかけて紡錘形細胞がstoriform patternに増殖する腫瘍巣を認め,中心部でrippled patternを呈していた.免疫組織染色ではfactor XIIIa,α-SMA,CD68とビメンチンが陽性,S100蛋白とCD34は陰性であり,1986年にSchwobらにより最初に報告された皮膚線維腫の稀な亜型であるpalisading cutaneous fibrous histiocytomaと診断した.Rippled patternを呈する腫瘍はいくつかあるが,指趾の神経に隣接した境界不明瞭な腫瘍で,多量の膠原線維の介在や組織球の混在を認めた際は,本症の可能性があり,免疫組織化学的検索により確定診断が可能である.

参考文献

1) Schwob VS & Santa Cruz DJ:J Cutan Pathol 13:403, 1986
2) Helm KF, et al:Am J Dermatopathol 15:559, 1993
3) Fukunaga M:Pathol Int 54:360, 2004
4) Biswas A, et al:Am J Dermatopathol 33:539, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら