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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻2号

2016年02月発行

文献概要

症例報告

黒色調外観とダーモスコピー所見が悪性黒色腫に類似した色素性エクリン汗孔腫の1例

著者: 井川徹也1 石川武子1 田中隆光1 多田弥生1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.143 - P.148

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要約 84歳,女性.5年前から腰部に黒色小丘疹が出現し徐々に増大した.1年4か月前に近医での凍結療法により平坦化したが数か月前に再発した.25×20×3mm大の平板状の黒色有茎性結節で,一部に紅色部分を伴った.表面は湿潤性で,黒色部は脳回転状,紅色部は平滑だった.ダーモスコピーでblue-whitish veilがみられた.病理組織像は小型の好塩基性細胞がシート状に増殖し,管腔構造を有したメラニン顆粒を含む腫瘍細胞や,間質にメラノファージがみられ色素性エクリン汗孔腫と診断した.自験例のように有茎性である割合は悪性黒色腫と比し汗孔腫に多い傾向があり,有茎性の色素を持つ結節では色素性エクリン汗孔腫が鑑別に挙げられる.また,ダーモスコピーでは色素を有するため鑑別が困難だが,併存する無色素の部分で通常の汗孔腫に典型的な所見が得られるか観察することが重要である.

参考文献

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5) 山川千尋,他:臨皮 67:747, 2013
6) 善家由香理,他:皮膚臨床 53:1177, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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