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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻3号

2016年03月発行

文献概要

症例報告

ブロメライン®軟膏により発熱を生じた仙骨部褥瘡の1例

著者: 近藤佐知子1 小川智広1 鴇田真海1 本田ひろみ1 伊藤宗成1 谷戸克己1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学病院皮膚科

ページ範囲:P.185 - P.188

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要約 79歳,男性.仙骨部褥瘡を近医で治療されていたが,改善を認めず当科を受診した.褥瘡は10×20cm大のポケット形成を伴っており,ポケット切開を行い,局所陰圧閉鎖療法(V.A.C.®療法)を開始した.その直後より仙尾骨骨髄炎によるスパイク状の発熱を認め,抗生剤投与を開始し,V.A.C.®療法は中止した.さらに,不良肉芽を除去するためにブロメライン®軟膏による外用療法を開始したところ,その翌日よりスパイク状の発熱が再び出現した.明らかな創部の感染徴候およびその他の感染源を認めなかったため,ブロメライン®軟膏による発熱を考え使用を中止したところ,速やかに解熱し,再使用により再び発熱をきたした.これらの経過よりブロメライン®軟膏により生じた発熱と考えた.現在までに同様の報告例はないが,ブロメライン®軟膏の使用量が多かったことが誘因の可能性と考えられた.

参考文献

1) 田口久美子,他:日皮会誌 114:618, 2004
2) Nishioka K, et al:J Environ Dermatol 11:12, 2004
3) 小口真司,他:日皮会誌 121:747, 2011
4) 石田裕子:和歌山医学 60:2, 2009
5) Maurer HR:Cell Mol Life Sci 58:1234, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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