臨床皮膚科70巻3号

2016年03月発行

症例報告

下口唇に出現した青色母斑の1例

著者： 荒川伸之¹ 井上剛¹ 菊池剛彰¹ 櫻井英一¹ 森志朋¹ 高橋和宏¹ 赤坂俊英¹

所属機関： ¹岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲：P.235 - P.238

要約　31歳，男性．2010年より下口唇に青褐色斑を自覚した．近医皮膚科にて経過観察されていたが，増大傾向があり，2014年7月，当科を受診した．下口唇正中よりやや右側に径2mmの境界明瞭な青褐色斑を認めた．病理組織像から通常型青色母斑と診断した．下口唇の青色母斑の報告例は少なく，本邦においては初報告である．海外においても5例であった．下口唇に比し上口唇の報告例が多く認められた．

参考文献

1) Montgomery H, et al:Am J Cancer 36:527, 1939

2) 村上冨美子，他：最新皮膚科学大系，11巻，中山書店，p66, 2002

3) 﨑山博子，他：日口外誌 52:295, 2006

4) 下重孝子，他：日皮会誌 85:853, 1975

5) 坂上雅史，他：日口外誌 31:292, 1985

6) Kikuchi I, et al:J Dermatol 13:301, 1986

7) 井関富雄，他：日口外誌 36:1327, 1990

8) 加納　聡，他：口科誌 43:512, 1994

9) 福田健司，他：日口外誌 41:172, 1995

10) 島田英彦，他：皮膚臨床 39:1748, 1997

11) 小幡和郎，他：日口粘膜誌 3:124, 1997

12) 大平明範，他：小児口外誌 10:33, 2000

13) Murata T, et al:J Dermatol 39:419, 2012

14) 肥田野信，他：医学のあゆみ 84:490, 1973

15) 岸　晶子，他：Derma 223:109, 2014

16) McCrea MW, et al:Oral Surg Oral Med Oral Pathol 25:590, 1968

17) Buckley DB, et al:Br Dent J 127:288, 1969

18) Teles JC, et al:Oral Surg Oral Med Oral Pathol 38:905, 1974

19) T W Sadler，安田峰生：ラングマン人体発生学第10版，メディカルサイエンスインターナショナル，p347, 2006