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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻3号

2016年03月発行

文献概要

症例報告

新生児中毒性紅斑の1例

著者: 平川彩子1 簗場広一1 小林光1 上出良一1 中川秀己1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.255 - P.258

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要約 生後1日の満期産女児.母体の感染徴候はなく,児の全身状態は良好であった.出生20時間後から皮疹が出現し,小児科より当科を紹介され受診した.初診時,背部から大腿部にかけて周囲に紅暈を伴う米粒大から拇指頭大の浸潤を強く触れる黄白色丘疹が散在し,一部は融合していた.皮疹は3日後に色素沈着を残さず自然消退した.病理組織像では,毛包内外に好酸球,好中球が密に浸潤していた.臨床経過と併せて新生児中毒性紅斑と診断した.新生児中毒性紅斑は,出産後の新生児が,胎外の環境に順応する際の一過性反応であり,生後24〜72時間にみられる.新生児の生理的皮膚変化の1つであるため,出産後24時間を経過しないうちに出現することも稀にある.本症を皮膚科医が診察する機会は比較的少ない.よって,新生児の診察を行う際には認識すべき疾患の1つとして重要である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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