icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻4号

2016年04月発行

症例報告

スプロフェンによる光接触皮膚炎の1例—ケトプロフェンとの光交差反応性

著者: 福地健祐1 青島正浩1 龍野一樹1 戸倉新樹1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学

ページ範囲:P.284 - P.288

文献概要

要約 45歳,女性.初診2か月前に近医で掌蹠膿疱症と診断され,スプロフェンクリームとステロイド/抗生剤配合軟膏が処方された.手掌の皮疹は改善したが,手背に紅斑が出現し,両前腕と顔面にも拡大した.当科を受診し,入院した.露光部位に皮疹がみられたため光線過敏症,特に光接触皮膚炎と薬剤性光線過敏症を疑った.背部の外用薬非塗布部位で測定したMEDは正常で,UVA照射では5.0J/cm2まで無反応であった.使用していた外用薬と内服薬の光貼布試験では,スプロフェンクリーム塗布とUVA 3.0J/cm2照射で陽性を示した.以上よりスプロフェンによる光接触皮膚炎と診断した.スプロフェン使用を中止し,ステロイド外用薬で治療を行ったところ,症状は改善した.光交差反応性が知られているスプロフェン,ケトプロフェン,オキシベンゾンを用いて光貼布試験を行ったところ,前2者で陽性であった.スプロフェンによる光接触皮膚炎は現在でも起こりうることを認識した.

参考文献

1) Tokura Y:Expert Rev Dermatol 4:263, 2009
2) Sugita K, et al:J Am Acad Dermatol 52(Suppl 1):38, 2005
3) Matsushita T, Kamide R:Photodermatol Photoimmunol Photomed 17:26, 2001
4) Sugiura M, et al:Environ Dermatol 7:217, 2000
5) Inoue A, et al:Environ Dermatol 6:243, 1999
6) Le Coz CJ, et al:Contact Dermatitis 38:245, 1998
7) Komamura H, et al:Environ Dermatol 4:297, 1997
8) Imai S, et al:J Dermatol Sci 41:127, 2006
9) Atarashi K, et al:J Dermatol Sci 47:151, 2007
10) Hino R, et al:J Dermatol Sci 52:140, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら