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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻4号

2016年04月発行

症例報告

関節リウマチに伴った肢端持続型丘疹性ムチン沈着症の1例

著者: 野崎由生1 内田敬久1 守屋真希1 池田信昭1 竹林英理子1 一山伸一1 津浦幸夫2

所属機関: 1横須賀共済病院皮膚科 2横須賀共済病院病理科

ページ範囲:P.297 - P.300

文献概要

要約 83歳,男性.既往に関節リウマチ,外傷による左小指基部の腱離断があり小指は弛緩性麻痺の状態であった.受診3か月前より自覚症状を欠く左小指基部伸側の小結節を自覚した.徐々に数が増加し範囲も拡大し,受診した.左手背から小指基部伸側および小指先端に集簇する小豆大までの常色の透見性のある小結節を認めた.皮膚生検にて真皮浅層に限局したヒアルロン酸主体のムチン沈着を認めた.甲状腺疾患の既往はなく,臨床像とあわせ肢端持続型丘疹性ムチン沈着症と診断した.本症の発症機序は不明とされるが,自験例では関節リウマチの既往があり,局所に機械的刺激が加わり,炎症性サイトカインが惹起され,ヒアルロン酸産生が亢進し,また,ヒアルロニダーゼ活性低下によりヒアルロン酸の分解が抑制されたことが発症に寄与していると推察した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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