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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻4号

2016年04月発行

文献概要

症例報告

5%イミキモド外用が有効であった結節型基底細胞癌の1例

著者: 八代聖1 種本紗枝1 中村善雄1 崎山とも1 布袋祐子1

所属機関: 1荻窪病院皮膚科

ページ範囲:P.326 - P.330

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要約 84歳,男性.鼻尖部に1.2cm大の黒色斑を認め,当科を受診した.臨床病型は結節型であり,病理組織型は結節型・浸潤型の混合型の基底細胞癌と診断した.5%イミキモドクリーム外用を1日1回,連日,12週間行い治療した.経過中に紅斑,びらんなどの局所的副作用を認めたが,全身的な副作用は認めなかった.外用12週の時点で黒色斑は消失し,外用終了6週後の皮膚生検では腫瘍細胞の残存はみられなかった.外用終了8か月後の時点で再発を認めない.海外では結節型基底細胞癌に対するイミキモドの使用報告があり,特に腫瘍径1cm以下の病変,病理組織型が表在型,結節型の病変で奏効率が高いとされる.自験例は比較的大型の病変,かつ病理組織型が一部で浸潤型であり,イミキモドが効きにくいと考えたが,良好な結果を得た.高齢者の手術困難な基底細胞癌に対して,イミキモド外用療法は治療の1つの選択肢になりうると考えた.

参考文献

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13) Geisse J, et al:J Am Acad Dermatol 50:722, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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