icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻4号

2016年04月発行

症例報告

再発時に下腿に蜂窩織炎様の皮膚浸潤を呈した脳原発びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の1例

著者: 今長慶志1 小野公司1 高橋英至1 佐藤貴浩1

所属機関: 1防衛医科大学校病院皮膚科

ページ範囲:P.341 - P.346

文献概要

要約 65歳,女性.2004年に脳幹部diffuse large B cell lymphoma(DLBCL)にて加療し寛解.2013年1月に右下腿の一部に紅斑が出現し,紅斑は右下腿全周性にわたって拡大したため8月に当科を受診した.右下腿および足背がびまん性に腫脹し,板状硬に触れる潮紅を認めた.病理組織像では,真皮から脂肪組織にかけてCD20,CD79a,bcl-2,bcl-6陽性の異型の強い大型リンパ球様細胞が稠密に浸潤していた.PET-CTでは多数のリンパ節,脾臓,骨に集積が認められた.以上よりDLBCL,stage Ⅳと診断.脳原発DLBCLの再発による皮膚浸潤と考えた.DLBCLは稀に蜂窩織炎様の臨床像を呈することがあり注意を要する.また,皮疹出現時には既に局所リンパ節腫脹を認めることが多く,原発巣の特定が時に困難である.

参考文献

1) Aoki R, et al:Pathol Int 58:174, 2008
2) 加賀屋真起子,他:皮膚臨床 49:697, 2007
3) 松澤高光,他:Skin Cancer 25:162, 2010
4) 糟谷 啓,他:臨皮 64:319, 2010
5) 種瀬啓士,他:Skin Cancer 24:80, 2009
66) Lister TA, et al:J Clin Oncol 7:1630, 1989
7) The International Non-Hodgkin's Lymphoma Prognostic Factors Project:N Engl J Med 329:987, 1993
8) 臼井圭子,他:皮膚臨床 51:993, 2009
9) 大橋則夫,他:皮膚臨床 37:1519, 1995
10) 小川晃史,他:皮膚臨床 39:66, 1997
11) 川井弘光,他:皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインⅡ,金原出版,p17, 2010
12) 脳腫瘍全国集計調査報告,Vol 4,脳腫瘍全国統計委員会,1982
13) 水澤英洋:内科 68:251, 1991
14) 西浦 巌,他:脳神経外科 8:839, 1980
15) Snider WD, et al:N Engl J Med 308:45, 1983
16) 三方淳男:病理と臨床 4:506, 1986
17) 横山雅大:医のあゆみ 219:57, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら