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増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016 2.皮膚疾患の病態
iSALT(inducible skin-associated lymphoid tissue)—皮膚における抗原提示の場の発見
著者: 夏秋洋平1
所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室
ページ範囲:P.34 - P.38
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皮膚は常にさまざまな外的刺激に曝されており,生体防御の最前線として多彩な免疫応答が繰り広げられている.代表的疾患として接触皮膚炎があり,獲得免疫応答の古典的実験モデルとして盛んに研究が行われてきた.皮膚内抗原提示とT細胞の活性化は皮膚の獲得免疫応答における重要なステップであるが,その詳細なメカニズムは不明であった.われわれは接触皮膚炎マウスモデルに二光子励起顕微鏡によるライブイメージング解析を応用することで,外的刺激により血管周囲に真皮樹状細胞とT細胞がクラスターを形成することを見出し,この細胞クラスターが皮内におけるT細胞の効率的な活性化に不可欠であることを明らかにした.本稿では,接触皮膚炎の研究を通じて明らかになった皮膚内抗原提示とT細胞活性化のメカニズムについて概説する.
皮膚は常にさまざまな外的刺激に曝されており,生体防御の最前線として多彩な免疫応答が繰り広げられている.代表的疾患として接触皮膚炎があり,獲得免疫応答の古典的実験モデルとして盛んに研究が行われてきた.皮膚内抗原提示とT細胞の活性化は皮膚の獲得免疫応答における重要なステップであるが,その詳細なメカニズムは不明であった.われわれは接触皮膚炎マウスモデルに二光子励起顕微鏡によるライブイメージング解析を応用することで,外的刺激により血管周囲に真皮樹状細胞とT細胞がクラスターを形成することを見出し,この細胞クラスターが皮内におけるT細胞の効率的な活性化に不可欠であることを明らかにした.本稿では,接触皮膚炎の研究を通じて明らかになった皮膚内抗原提示とT細胞活性化のメカニズムについて概説する.
参考文献
1) Brandtzaeg P, et al:Mucosal Immunol 1:31, 2008
2) Streilein JW:J Invest Dermatol 80:12s, 1983
3) Natsuaki Y, et al:Nat Immunol 15:1064, 2014
4) Kaplan DH, et al:Nat Rev Immunol 12:114, 2012
5) Honda T, et al:J Invest Dermatol 133:303, 2013
6) Egawa G, Kabashima K:J Invest Dermatol 131:2178, 2011
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