文献詳細
増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016
2.皮膚疾患の病態
制御性T細胞の恒常性と皮膚
著者: 山崎小百合1 森田明理2
所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科免疫学 2名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学
ページ範囲:P.39 - P.41
文献概要
マウスの末梢CD4+T細胞の約5〜10%が定常状態でCD25を発現しており,免疫学的自己寛容に重要な制御性T細胞である,と1995年に坂口志文先生らにより報告された.その後の世界中の多くのグループよりCD25+CD4+T細胞に抑制能力があることが再現され,現在では制御性T細胞は,自己免疫反応のみでなく,腫瘍免疫,移植免疫,アレルギー,感染に対する免疫反応,慢性炎症などさまざまな免疫反応を抑制していることが判明している.制御性T細胞は,マウスのみでなく,ヒトでも同様に存在し,さまざまな病態に関連している.筆者らは,最近,胸腺由来制御性T細胞が皮膚において紫外線にてその恒常性が維持されている可能性を示した.本稿では,皮膚における制御性T細胞の役割について最近の知見を中心に述べる.
参考文献
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