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増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016 2.皮膚疾患の病態
乳児アトピー性皮膚炎における食物アレルギーの管理
著者: 竹井真理1 海老澤元宏1
所属機関: 1国立病院機構相模原病院臨床研究センターアレルギー性疾患研究部
ページ範囲:P.42 - P.46
文献購入ページに移動本邦において食物アレルギーの発症頻度は乳児期で約10%と最も高く,乳児のアトピー性皮膚炎に合併していることが多い.本邦では『食物アレルギーの診断の手引き』において乳児期のアトピー性皮膚炎の発症や悪化因子に食物アレルギーが関与している病型を「食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎」と定義している.乳児のアトピー性皮膚炎に対して,スキンケアやステロイド外用療法を行っても改善しない場合,または寛解・増悪を繰り返す場合には食物アレルギーの関与を考慮する.診断は問診やアレルギー検査などから疑わしい食物に対して食物除去試験を抗原ごとに行い,食生活の質が下がらないよう必要最小限の除去を行う必要がある.また診断が確定した後は漠然と除去を継続せず,定期的に耐性獲得の有無を確認することが重要である.
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