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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻5号

2016年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016

3.新しい検査法と診断法

痂皮を用いたウイルス感染症の診断

著者: 三宅智子1 山本剛伸12 平井陽至1 岩月啓氏1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科皮膚科学 2川崎医科大学附属病院皮膚科

ページ範囲:P.75 - P.78

文献概要

summary
ヘルペス様水疱を認める疾患には単純疱疹,帯状疱疹,日常診療では稀であるが種痘様水疱症が挙げられる.これらの疾患を診断するためには,TzanckテストやEBER(Epstein-Barr virus encoded RNA)in situ法が一般的に用いられる.われわれは痂皮や水疱蓋よりRT-PCR(reverse transcriptase polymerase chain reaction)法にてEBER-1を検出する方法を2007年に報告した.本法は,非侵襲的に検体を採取でき,痂皮の場合は数か月保存することができるため,全国各地からの検体を検査することが可能である.さらに抽出したRNAをcDNAとして使用することで遊離しているウイルスDNAを除外できる.本法を用いて単純ヘルペスウイルス,帯状疱疹ウイルス,Epstein-Barrウイルスを検出した結果,いずれのウイルスでも本法は高い鋭敏度と特異度を示した.本法を用いて,ヘルペスウイルス感染症を診断することは有用な検査であると考えた.

参考文献

1) 三宅智子,岩月啓氏:Derma 236:59, 2015
2) 平井陽至,他:Derma 191:48, 2012
3) Weiss LM, et al:Am J Pathol 139:1259, 1991
4) Yamamoto T, et al:J Microbiol Methods 68:403, 2007
5) Iwatsuki K, et al:Arch Dermatol 142:587, 2006
6) Nahass GT, et al:JAMA 268:2541, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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