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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻5号

2016年04月発行

増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016

5.皮膚科医のための臨床トピックス

クラゲと納豆アレルギー

著者: 猪又直子1

所属機関: 1横浜市立大学大学院医学研究科環境免疫病態皮膚科学

ページ範囲:P.158 - P.160

文献概要

summary
納豆アレルギーは,IgE介在性アレルギーにかかわらず,摂取後約半日経ってから発症し,その多くが全身症状に発展する遅発性アナフィラキシー(late-onset anaphylaxis)の臨床型をとる.興味深いことに,患者の多く(約8割)はサーフィンやダイビングなどのマリン・スポーツ愛好家であり,納豆の主要アレルゲンであるポリガンマグルタミン酸(PGA)はクラゲの触手でも産生されることから,感作機序として「クラゲ刺傷による経皮感作」の可能性を疑っている.これまで「遅発性アナフィラキシー」という臨床型ゆえに,本症の診断は難しかったが,マリン・スポーツ歴の聴取は診断に繋がる有力な手がかりになるものと期待される.

参考文献

1) Inomata N, et al:J Dermatol 41:752, 2014
2) Inomata N, et al:J Allergy Clin Immunol 113:998, 2004
3) Inomata N, et al:Ann Allergy Asthma Immunol 94:402, 2005
4) Inomata N, et al:J Dermatol 39:409, 2012
5) Inomata N, et al:Allergol Int 60:393, 2011
6) Weber J:J Biol Chem 265:9664, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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