文献詳細
文献概要
増刊号特集 最近のトピックス2016 Clinical Dermatology 2016 5.皮膚科医のための臨床トピックス
「光老化」啓発プロジェクトについて
著者: 川島眞1 川田暁2 錦織千佳子3 森田明理4 宮地良樹5
所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科 2近畿大学医学部皮膚科 3神戸大学大学院医学系研究科内科系講座皮膚科学分野 4名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学 5滋賀県立成人病センター
ページ範囲:P.173 - P.175
文献購入ページに移動皮膚科医にとっては,太陽光線により老徴が出現し,さらには皮膚癌の発生につながること,そしてそれを光老化と呼称することには共通の認識がある.また,サンスクリーン剤を長期にわたって使用することにより光老化が予防できることも常識である.しかし,本邦においてサンスクリーン剤の効能表現として許可されているのは,「日やけを防ぐ」「日やけによるしみ,そばかすを防ぐ」の2つのみであり,サンスクリーン剤の効果の一部にすぎない.その理由の1つに,光老化の言葉そのものの一般への浸透が低いことが挙げられ,事実,最近の調査でも4.2%の国民が理解しているのみであった.そこで,まずは光老化の認識を高めるための啓発活動を行う必要があると考え,光生物学に造詣の深い皮膚科医が集まり,2016年春をスタートに啓発プロジェクトを展開することとした.多くの皮膚科医の参画を得て国レベルの活動とし,光老化対策を通じて国民の健康に貢献したい.
参考文献
掲載誌情報