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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻6号

2016年05月発行

文献概要

症例報告

乳児に発症した再発性環状紅斑様乾癬の1例

著者: 笹田久美子1 秦まき1 戸倉新樹2

所属機関: 1沼津市立病院皮膚科 2浜松医科大学皮膚科

ページ範囲:P.401 - P.405

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要約 3か月,男児.初診の2週間前より,前頸部に大型の環状紅斑と,体幹に多発する軽度鱗屑性小紅斑が出現した.さらに2週間後には個々の小紅斑は拡大,環状を呈し,多数の小膿疱を伴うようになった.発熱など全身症状はなかった.病理組織学的に,表皮肥厚と表皮突起の軽度延長がみられ,Kogoj海綿状膿疱を認めた.以上より再発性環状紅斑様乾癬と診断した.ステロイドを外用し,皮疹は一度消退したが,その後増悪し再度全身へ拡大した.そのため,シクロスポリン内服を開始し,症状は改善した.乳児の環状紅斑の鑑別として本疾患は重要であり,また治療に難渋する場合はシクロスポリン投与が選択肢の1つとなりうると考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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