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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科70巻6号

2016年05月発行

症例報告

陰茎縫線囊腫の1例

著者: 金田一真1 穀内康人1 牧之段恵里1 黒川晃夫1 森脇真一1 安田恵美2 辻求2

所属機関: 1大阪医科大学皮膚科 2大阪医科大学病院病院病理部

ページ範囲:P.422 - P.426

文献概要

要約 23歳,男性.11年前に出現した陰茎の小囊腫を主訴に受診した.初診時,陰茎包皮左側に黄白色調を呈する半球状の囊腫様構造物がみられた.全切除術を施行した.病理組織学的には真皮内に表皮とは連続性がなく,内腔が不規則に延長し,突出する単房性の囊腫が存在していた.囊胞壁は重層円柱上皮で構成され,明らかな断頭分泌の所見はなかった.囊腫壁内腔の細胞の上層部はPAS陽性で,内腔の細胞はCK7陽性,CK20陰性,GCDFP15陰性であった.以上より,陰茎縫線囊腫と診断した.自験例は発症から受診まで約11年間が経過していた.過去の報告例を集計で,本疾患は先天異常が発症要因と言えるものの,発症後年月が経過してから受診する傾向があることがわかった.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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